| 日本の理科系教育にはアンバランスがあります。 たとえば、中学や高校で、女性や少数民族などの地位向上運動について十分に教えません。人間が、どのようにして差別と戦って来たのか、歴史上の地位向上運動はどのように進展していったのか等について、何十時間もかけて教えることはないのです。 しかし、二次方程式の解の公式や因数分解は十二分に教えます。演習問題を解かせてできるまで居残りまでさせるかもしれません。何時間どころか、おそらく何十時間も、二次方程式の解の公式を使って問題を解いたり、因数分解の演習問題を解いたりするでしょう。 中学生や高校生のときに、二次方程式の解の公式より大事なことが世の中にあることに気づいてしまうかもしれません。今の理科系教育では、気づいた人より、気づかない人の方が成績がよくなります。幸か不幸か気づいてしまえば、数学が苦痛になり、理系に進めなくなるでしょう。何でこんなに不毛なことをやらせるのかという気持ちが強くなるからです。苦痛なことを続けることはできません。これは、人間としては当然のことと言ってよいでしょう。気づいた人の方が、気づかない人より、優れているともいえるのです。 実際、社会に出ると、因数分解は多くの人にとって重要な問題ではありませんが、地位をどのように向上させるかは重要な問題です。2次方程式や因数分解を解くのに精通することは、世の中に出てみると、あまり役に立たないのです。 |